自転車にエアタグをつけてみたら、思った以上に便利だった。盗難対策になるだけでなく、家族で位置を共有できるので「今どこにいるか」「もうすぐ帰ってくるか」がすぐ分かる。長男の自転車を新しくしたのをきっかけに導入してみたのだけれど、日常のちょっとした安心にもつながっている。純正は高価だが、iOS「探す(Find My)」に対応したサードパーティ製のスマートタグなら500円ほどから手に入る。この記事では、取り付け方と実際に使って感じたことを紹介する。
※追記: 自転車にエアタグをつけて困ったことがあったのでそのことについても触れました。
スマートタグを選んだ理由
Apple純正のエアタグは便利そうだけれど1個数千円と高額。サードパーティ製でMFi認証を受けている製品なら500円程度から手に入り、iOS標準の「探す」アプリで問題なく使える。これなら気軽に試せると思った。
大人でも乗れるサイズで盗難が心配に
長男は7歳のときに買った18インチの小さな自転車に乗っていたが、小4になり24インチのブリヂストン「シュライン」に買い替えた。ジュニア車ながら大人が乗っても違和感がないデザイン。その分「盗まれやすいのでは」と不安が出てきた。
自転車にエアタグを取り付ける方法の候補
調べてみると、自転車にエアタグを隠す方法はいろいろあった。
タイプ | 説明 |
---|---|
サドル裏タイプ | サドルの裏にタグを固定。3,000円前後の製品が多くコスト高。 |
ベル下タイプ | ベルの下に隠す。既存のベルを交換する必要があり、使わなくなるベルが無駄になりそう。 |
結束バンドタイプ | フレームに結束バンドで固定。安価だがカッターやハサミで簡単に切れるのが弱点。 |
リフレクター型 | 反射板内部に仕込む。見た目の違和感が少なく、最後まで迷った。 |
ボトルケージ(ドリンクホルダー)下タイプ | フレームのネジ穴にプレートを固定。ケージなしでも設置可。今回の採用方式。 |
ボトルケージ一体型 | ケージとタグホルダーが一体化。飲み物を常用する人向け。 |
ボトルケージとは?
ボトルケージとは、自転車にドリンクボトルを取り付けるためのホルダーのこと。スポーツバイクではほぼ標準装備で、フレームのダウンチューブやシートチューブにネジ穴があり、そこにケージを固定して使う。子供用自転車でもネジ穴が用意されていることがあり、今回購入したブリヂストン「シュライン」にも付いていた。(下の画像の、金属のネジのようなところ。二つ付いている。)

ボトルケージ下プレートで取り付け
今回選んだのは「ボトルケージ下タイプ」。ボトルケージ自体はなくてもよく、プレートだけをネジで固定できる。ケージを使う場合は、フレームとボトルケージの間にプレートを挟む形になる。
必要なもの
- エアタグ(またはFind My対応スマートタグ)
- 専用プレート(ボトルケージ用ネジ対応)
- プラスドライバー or 六角レンチ
取り付け手順
- フレームのボトルケージ用ネジ穴を確認する
- 付いているボルトを外す(無ければM5ボルトを用意)
- プレート裏にエアタグをセットする
- プレートをフレームに合わせ、必要ならボトルケージと重ねる
- ボルトでしっかり固定する
- 「探す」アプリで検出されるか確認する
ポイント
- ボルトが短いと固定できないので、長めのM5ボルトを用意すると安心
- 完全に隠せるわけではないが、ぱっと見で気づかれにくい
iPhone「探す」アプリで設定

アプリ登録はとてもシンプルだった。
設定手順
- iPhoneで「探す」アプリを開く
- 「持ち物を探す」から「新しい持ち物を追加」を選ぶ
- 近くのタグを検出して名前をつける
自転車盗難の現状とエアタグの効果
警察庁の統計では、令和6年の自転車盗認知件数は全国で174,020件。千葉県内だけでも9,943件あり、浦安市に限ると刑法犯全体のうち自転車盗が約4割を占める。
さらに千葉市や茂原市の資料では、盗まれた自転車の約6割が無施錠状態。法務省の分析でも、車両関連窃盗では少年の検挙割合が高いことが報告されている。
つまり、自転車盗の大半(9割以上)は「非プロ」による軽犯罪。逆に、工具や流通ルートを備えた「プロの窃盗団」が関与するのは全体の5〜10%程度にとどまると推測できる。
エアタグはプロ相手には無力かもしれないが、軽犯罪レベルの盗難には十分効果があると感じる。
実際に使ってみて感じた便利さ
- 自転車の位置がすぐにわかる
- 家族で「今どこにいるか」「帰宅途中か」が見える
- 子供の行動範囲を自然に把握できる
防犯グッズというより、日常を少し便利にしてくれるツールになった。
使ってみて困ったこと
エアタグを自転車につけてみて、しばらく運用してみて気付いたことがある。それは、エアタグの持ち主のiPhoneとの接触が一定時間ないと、ピーピー音が鳴り出すことだ。この仕組みを知らずにいると、駐輪場で勝手に自転車がピーピー鳴ることになる。自転車を自宅玄関などに置いている人は問題ないだろうが、駐輪場など、少し離れた場所に置いている場合は要注意だ。
まとめ
大人でも乗れる自転車に買い替えたのをきっかけにエアタグを導入してみた。盗難防止だけでなく、家族で位置を共有できる便利さが予想外のメリット。プロの窃盗団には効かないかもしれないが、多くを占める「非プロの盗難」に対しては有効だと思う。物理ロックと組み合わせれば、手軽に安心をプラスできる。
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