私はピアノが趣味だが、ソロで弾くよりも室内楽や伴奏の方が性に合っている。
誰かと一緒に音を作っていく感覚が楽しく、1人では味わえない奥深さがある。
最近は、ブラームスのバイオリンソナタ第1番「雨の歌」を練習している。
この曲、一見すると譜面もシンプルで弾きやすそうに見えるのだが、実際に合わせてみると予想以上に難しい。
ブラームスらしいリズム感
特に1楽章は、4分の6拍子という拍子の中に、ピアノとバイオリンがそれぞれ違うリズム感で進む箇所が多い。
ピアノパートは4拍子のように聞こえるのに、バイオリンパートは3拍子のように感じられるところもある。
そのため、どちらの感覚で弾いているのか分からなくなる瞬間が多々ある。
頭では分かっているつもりでも、実際に合わせてみると「あれ?」となる。
この複合的なリズム感の絡みがまたブラームスらしい。
音源と合わせる練習の難しさ
最初のうちは、YouTubeなどで音源を流しながらピアノパートを弾いていた。
しかし、「あ、今ずれたな」と気づいた瞬間には、音源はすでに先に進んでしまっている。
結果的に、苦手な部分だけを取り出して練習するのが難しかった。
YouTubeの「譜面付き動画」に救われた
ある日、ふと譜読みの時によく使っていたYouTubeの譜面付き動画を思い出した。
音と一緒に譜面が流れるあのタイプの動画だ。
これなら、自分の弾くピアノパートがどこでずれているのか、視覚的に確認できる。
しかも再生位置を少し戻すだけで、苦手な部分を何度でも練習できる。
「これは使える」と思い、早速この方法で練習を始めた。
iPadを使うとさらに快適に
幸い、私は普段からiPad Proを電子譜面として使っている。
そのため、YouTubeの譜面動画をiPadで見ると、普段の譜面とほとんど変わらない感覚で弾けた。
タップ一つで巻き戻し、すぐに再生。
合わせにくい箇所も、動画と自分の手元の音がどうズレているのかがよく分かる。
この練習方法は非常に効率が良く、今まであやふやだった箇所が一気にクリアになった。
スマホ時代とは別物の便利さ
以前はスマホで譜面付き動画を見ていたが、その時は「譜読み用」くらいにしか使えなかった。
画面が小さいと、譜面の細かい部分が見づらく、練習に使うには不便だったからだ。
しかしiPadを譜面代わりに使うようになってから、同じ動画の価値が一気に上がった。
画面が大きく、見やすく、タップ操作もスムーズ。
まさに、室内楽の練習にぴったりのツールだと感じている。
室内楽好きのピアノ弾きにおすすめ
この方法を試してから、ブラームスのようなリズムが複雑な曲でも、自分の演奏を客観的に見直せるようになった。
合わせにくい箇所を一つずつ丁寧に確認できるため、全体の理解も深まる。
室内楽が好きなピアノ弾きの同志がいたら、ぜひ試してみてほしい。
「合わせる」音楽が、さらに楽しく、そして少しだけ身近に感じられるはずだ。




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