長男は、小3の頃は漢字テストで10点や20点ばかり。答案は白紙同然で、国語に強い苦手意識を持っていた。
ところが、小4になって初めて漢字テストで100点を取った。
その背景と勉強法を、体験とあわせてまとめてみたい。
Before / After
学年 | 漢字テストの点数 | 答案の様子 | 本人の反応 |
---|---|---|---|
小3 | 10〜20点ばかり | 白紙同然 | 「国語苦手」と発言、答案を持ち帰らない |
小4 | 初めて100点 | 全問正解 | 感情は表に出さないが、自分から答案を持ち帰り報告 |
小3の壁に直面
小3になると習う漢字は200字以上に増える。
その中には「官」「委」「由」など、字そのものの意味を理解しにくいものも含まれている。
語彙が少ない子にとっては、すべてが新しい単語となり、テストで全滅しやすい。
これは学習指導要領で定められた配当漢字数の影響も大きい。
1・2年生で学ぶのは合計240字だが、3年生だけでさらに200字を習得することになる。
この急激な増加が「小3の壁」と呼ばれる理由の一つだ。
長男もその典型で、50点以上を取ったことは一度もなく、答案はほとんど白紙。苦手意識がどんどん強くなっていた。
公文国語では伸びなかった
当時、公文の算数を続けていたので、国語も追加すれば漢字力がつくのではないかと考えた。
しかし公文国語は読解中心で、漢字練習に特化していない。
算数=計算、国語=漢字、という思い込みは誤りだった。
学校ドリルをコピーして反復
一番効果があったのは学校配布の漢字ドリルをコピーして繰り返すことだった。
- 1回目は半分以下しか書けなくてもよい
- 繰り返すと8割程度まで書けるようになる
- 同じ範囲を4回ほど繰り返すと安定する
- ネットプリントや準拠教材も同じ範囲で繰り返すと効果的
コツは範囲を広げすぎないこと。
「学年全体」ではなく「1学期の範囲」に絞って集中的に取り組むと定着しやすい。
スマイルゼミで「薄く広く」と「深く定着」
学校ドリルとスマイルゼミの使い分け
教材 | 特徴 | 活用法 |
---|---|---|
学校ドリル | 学校配布、教科書準拠。 学校の漢字テストはほぼここから出題される | コピーして同じ範囲を4回以上反復する |
スマイルゼミ(漢検ドリル) | 学年の漢字をランダム出題。 前の学年や次の学年にも取り組める | 予習+復習に活用、幅広く定着 |
スマイルゼミ(漢字コレクション) | 学年漢字を徹底練習 | 年度を通じて深く定着させる |
スマイルゼミは最初、毎日の4つのミッションをやるだけだったが、夏休みからは「漢検ドリル」「漢字コレクション」にも計画的に取り組むようにした。
年度はじめは広く浅く触れることで「見たことがある漢字」を増やし、年度終わりには1年間やり込んで深く定着させる。
即効性はなくても、1年間続けることで確実に力がつく。
漢字学習はシンプルでよい
特別な工夫は必要ない。大事なのは、漢字を問題形式にして、何度も「思い出す」ことを繰り返すこと。
心理学ではこれはテスト効果(retrieval practice)と呼ばれ、単に読む・書き写すよりも記憶の定着に効果的だとされている。
人は覚えたことをすぐに忘れてしまうが(エビングハウスの忘却曲線)、繰り返し思い出す練習をすることで、記憶は長期化する。
つまり、ただ同じ漢字をノートに何度も書き写すよりも、問題として出されて「思い出す」経験を重ねる方が効果的。
漢字学習においても、このシンプルなやり方が一番定着につながる。
よくある家庭学習の悩み
「反復してもすぐに忘れる」「同じところばかり間違える」——これは多くの子が経験すること。
実はこれは「できない証拠」ではなく、記憶が安定する前の自然な過程。
むしろランダムに間違えるようになった時点で、すでに定着の一歩手前まで来ている。
焦らず同じ範囲を繰り返すことが大事だ。
学習習慣の作り方
- 長期休みには1学期分など範囲を絞って集中する
- 毎日やることをあらかじめ固定する(例:平日は毎日1ページ、土日は復習)
学校で習った日に合わせるとリズムが崩れやすいし、日によって学習量が変わると負担が大きくなる。
だからこそ「毎日(または曜日ごと)にやる内容を固定する」のが習慣化のコツ。
スマイルゼミを使った具体的な進め方については、こちらの記事にもまとめている。
👉 スマイルゼミ漢字コレクションの取り組み方
取組み方のスタンス
漢字学習を続けるうえで大事なのは、「どこまで求めるか」を明確にすること。
- 範囲を区切る(例えば1学期の範囲、など)
- 全問クリアを目標にせず、間違いを特定し、その日はその字を覚えることを目標にする(翌日忘れていても構わない)
- 初めて見たものより、2回目に見たものの方が覚えやすい。何回も繰り返せばそのうち覚えるという姿勢で取り組む
- 教材は紙とアプリで形を変えて繰り返すだけで十分
欲張らず、ゴールを小さく設定することで、子どもが自分のペースで前に進めるようになる。
まとめ
- 小3の壁で漢字につまずく子は多い
- 公文国語は読解中心で、漢字対策には不向き
- 学校ドリルをコピーし、1学期の範囲を集中的に反復する
- スマイルゼミで薄く広く→深く定着させる
- 漢字は問題形式で繰り返し思い出すことで定着する
- ランダムな間違いは定着の一歩手前のサイン
- 毎日の学習を固定化して習慣にするのが継続のコツ
- 語彙が少ない子でも、丸暗記で100点を取ることは可能で、成功体験が自信につながる
勉強法を少し変えるだけで、苦手意識は「できるかも」に変わる。
初めての100点は、子どもにとっても、私にとっても大きな一歩になった。
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