習い事は「通わせるだけ」では意味がない?

学習・習い事

英会話、習字、ピアノ…子どもに習い事をさせているけれど、「思ったほど上達していない」と感じたことはないだろうか?
私自身、子供の頃に英会話教室に通っていたけれど、全然身に付かず、それがおうち英語を始めるきっかけになっている。おうち英語をやってみて実感したのは、習い事は通うだけではモノにならないということ。

英語に限らず、結局のところ、成果を左右するのは家庭での環境づくりだ。

科学的に見ても「家庭の環境」が9割

  • 研究では、家庭の学習環境(Home Learning Environment; HLE)が子どもの学力や社会性に大きな影響を与えると示されている(Zhang & Dearing, 2023)。
  • HLEは「家庭の教育資源」「親の教育観」「学習プロセス」の3要素で構成され、特に日常での親子の関わりが子どもの情緒や学びを支えることが分かっている(Wang et al., 2022)。
  • 一方で習慣化の研究によると、学びが続くかどうかは「きっかけ→行動→満足感」のループで決まり、環境がそのきっかけになる(Ouellette & Wood, 2020Yamashita, 2020)。

調査の一例:
家庭での教育活動に積極的な子どもは、そうでない子どもに比べて読解力テストで10%以上高い得点を示したという研究がある(Zhang & Dearing, 2023)。
つまり、同じ習い事に通っていても「家庭での環境次第」で結果は大きく変わる。

我が家の実感

  • 英会話: 家で英語の歌や動画を取り入れたら一気に伸びた
  • 習字: 家に練習の環境を作れていないので、ほとんど成果を感じられない
  • ピアノ: 母である私が日常的に弾いているので、自然と練習が生活に溶け込んでいる

この差はまさに「家庭での環境があるかどうか」に尽きると感じている。

習い事ごとの「家庭での環境づくり」

習い事家庭での工夫ポイント
英会話・英語の歌や動画を日常的に流す
・英語絵本をリビングに置く
・オンラインゲームや通話で英語を使う
教室だけでは足りない。
家庭でのインプット量がカギ。
習字(硬筆)・机に硬筆ノートと鉛筆を出しっぱなし
・見本をスキャンしてタブレットで拡大
・1日1文字だけ練習するルーティン
準備なしでできる環境が重要。
ハードルを下げて習慣化。
ピアノ・毎日決まった時間に弾く習慣を作る
・椅子や譜面台を子どもに合う高さに整える
・録音して聴き返す
短時間でも毎日触れることが成果に直結。
スポーツ・縄跳びやボールを玄関に置く
・休日に親子でキャッチボール
・フォーム研究を動画で見る
道具を身近に置く+親が一緒に遊ぶと続きやすい。
プログラミング・タブレットにアプリを常備
・作った作品を家族に発表
・親も一緒に触ってみる
成果を「見せる場」があると継続しやすい。

家庭で実践できる工夫

  • 習慣化のタイミングを決める: 朝の1ページ、夕飯前の1曲など
  • 道具を出しっぱなしに: 「やろうと思ったらすぐできる」状態を整える
  • 親は見守り役に徹する: 添削より「今日もやったね」の声かけ
  • デジタルを活用: お手本の拡大や録音・録画で振り返り

「やめ時」を考える視点

習い事が続かない=子どもが悪いわけではない。
家庭環境と合っていないサインかもしれない。

やめる前に「家庭で工夫できる余地」を見直すこと。
それでも合わなければ辞めてもOK。
大事なのは自己肯定感を削らないことだと思う。

まとめ

習い事は「通わせるだけ」では身につかない。科学的にも、家庭の学習環境(HLE)や習慣化の仕組みが子どもの成長に直結することが分かっている(Zhang & Dearing, 2023Ouellette & Wood, 2020)。

私自身、おうち英語で環境の大切さを実感し、習字で環境が作れないと伸びないことを痛感した。

だからこそ、習い事を本当の意味でモノにするには、家庭で続けられる仕組みづくりが最大のポイントだと思う。

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